Bow-wow!No.18_犬禁止?


「のわぁにぃ〜!」
2004年秋、@noriは新聞の見出しに声をあげた。
『環境省が国立公園ペット禁止などの規制検討』

ご存じない方もあるやもしれないので一応、情報ソースを。
日付までは記憶にないけど我が家で取っていた毎日新聞にばぁぁぁ〜〜んと載っていました。あれ、どうなっています?あのころからずっと気になっているんですけど・・・。
(今、検索したら2004年9月22日の朝刊でした。インターネットって便利ね。(^^♪)



「国立公園がペット禁止になったら、(ベルを連れて)どっこも行かれへんようになるな〜」
当時、ベルのははと話していたのだが、その後どうなったのかは毎日新聞も教えてくれず、気になって仕方ないので実は北海道支笏湖ビジターセンターにメールで問い合わせたことがある。なんで支笏湖ビジターセンターに訊いたかというとセンター内に8つの『フィールドマナー』なるものが掲げられていて、その第6番目に『ペットは持ち込まないようにしましょう』と表示されているのだ。(古くからの読者ならばご存知でしょうけど2003年のことだからね。2008年の今もあるかどうかはわからないけど、ま、あるんでしょうね。当時、改築されたばかりだったから)

@nori「あ〜、いつもお仕事ありがとうございます。お陰でわたしたち素敵な景色を楽しむことができます。あの〜、ひとつ気になっているんですが9月22日の毎日新聞に『国立公園はペット禁止になる』と出ていたんですがいつ頃から禁止になるんですか?」
支笏湖「ああ、新聞の記事ではそんなことも書かれていたようですが、まだ決まったわけではないんです。今度、法律の改正があるというだけで」
@nori「そうですか。ところでビジターセンターにフィールドマナーというのが掲げてあって、そこに『ペットは持ち込まないようにしましょう』と書いてあるそうなんですが、うちに盲導犬くらいの大きさの犬がいるんですが支笏湖を散歩させることはできないんでしょうか?駐車場から降ろしてもダメなんでしょうか?」
支笏湖「いえいえ散歩させていただいていいですよ。ただ他の人の迷惑にならないように気をつけてくださいね。」

てなことをメールでやりとりし、確認し、安心したのである(二つ目のメールに対する返事が一週間くらいしても帰ってこないので「どうでしょうか?」と督促メールを出してしまったのだが、環境省管轄にまで問い合わせてくださっていたらしく、お詫びとともに返事がかえってきた。ありがとうございました。今、支笏湖ビジターセンターのホームページを見てみたけどE-mailが表記されてなくてメールでの問い合わせは出来なくなっていますね。運営も外部委託になったみたいだし)


というわけで、国立公園全体が犬の進入禁止になるようなわけではないようである。そうでなければ公園内に別荘やもともと居住している人は犬が飼えなくなる。(^^ゞ

「犬禁止」にしたい人はきっとたくさんいるのであろう。
国立公園をめぐる人々を考えてみる。
大きいところで行政。身近なところで地域住人。われわれ観光客。観光客相手のサービス業者。あ、そうそう公園を管理運営する管理者。そのお手伝いをするボランティア。自然保護団体ってのも関係してくるかな。

自然保護って観点からすると、観光客を入れなければいいのだ。あ、ここから話が入るとややこしいか。そもそも法律ではどうなっているのか?だな。法律で「犬禁止」ってなっていれば議論の余地はない。

国立公園に関する法律は、、、いやぁ、インターネットってのは便利だねー。
管轄は環境省。国立公園に関するホームページもある。
関係する法律は「自然公園法」の関係。ホームページからちゃんと辿ることができる。

国立公園はこの自然公園法により指定される。(平成15年4月1日施行)
では自然公園法制定の目的とは何か。
一つは「優れた自然の風景地を保護する」こと。
二つには「その利用増進を図」ることによって「国民の保健、休養及び教化に」役立てることが目的である(第1条)

う〜む、なかなかむつかしいことを目的としているんですね。保護しつつ利用するってことです。
第3条では国や公園の利用者は「環境基本法」の第3条から5条にある環境保全の基本理念にのっとって、第1条の法律の目的に沿うように努力することとなっています。

法律って、ややこしいですね。いきなり「環境基本法」だもの。何て書いてあるのよ。(^^ゞ
え〜、第3条では「生態系に配慮しながら環境保全につとめなあかんよ」かな。
第4条は?「環境にあんまり負担をかけないように。それは国だけじゃなくて観光客も含む利用者すべてが自主的積極的に取り組んでくださいよ」ってことかな。
第5条は?「地球環境も考えて国際的に協力しようぞ」かな。これはスケール大きいですね。
ま、これらを踏まえて、保護しつつ利用しましょうね、てことやな。

さて、自然保護法に戻りますが、自然公園の種類だとか、誰が決めるとか、ちゃんと掃除せなあかんよとか、つらつらと条文が続きます。75条もあるんですねー。で、直接関係ありそうなのが第3節の「保護及び利用」。もう、目的そのものやん。(^^ゞ

というわけで第2章第3節「保護及び利用」の条文をつらつらつらと見ていくと国立公園内はいくつかの地域に区分されていることがわかります。
第13条による「特別地域」
第14条による「特別保護地区」
第15条による「利用調整地区」
第24条による「海中公園地区」
第26条による「普通地区」
国立公園
こんな感じでしょうか。

条文をみると「環境大臣などの許可を受けなければ●●できない」ってことがたくさん書いてありますが、公園は特に許可不要で入る、つまり利用することができます。あたりまえですかね。(^^ゞ
で、例外として『許可がないと入れないよ。認定を受けないとダメだよ』ってのが「利用調整地区」
我が家の近くでは(近くじゃないか。(^^ゞ)、この夏に行った大台ケ原に利用調整地区があります。(西大台地区)。とっても山深いところです。ダイダラボッチとか日本狼が生息しているところです。(ウソ。(>_<))

いよいよ本題、じゃあ、犬は?犬は入っちゃダメって書いてあるの?
うーん。ペットについては明確にはかかれていませんね。
でも「利用調整地区」は人間でも許可や認定が必要なくらい手厚く保護されている地域ですから、むつかしいでしょうね。ではその他の地域はどうでしょう?。
関係しそうな条文と言えば「特別保護地区」に言及している第14条。その第3項第4号みると許可なしに『家畜を放牧すること』をしてはならない、とあります。

家畜?ま、犬も家畜といえば家畜だわな。(犬は家畜じゃないぞ、という人は第14条第3項第10号にて自然公園法施行令第18条第2号「動物を放つこと」が該当)
放牧?放し飼いにすること?ノーリードはダメってこと?リードつけてたらいいの?
まぁ、法的にはOKってことでしょう。
ん?ということは「特別保護地区」「利用調整地区」以外ならノーリードでOKってこと?「特別保護地域」はリードをつけてたらOK?
え〜と、法的にはOKってことでしょう?(^^ゞ。あるいはそこまでの規制はしていないってことですね。

しかし、実際には犬を連れてくるなというところはたくさんある。
上高地大台ケ原南アルプス国立公園白山国立公園などなど。
そういう地域では法律で禁止まではしてないけど『地域のマナーにしたがってください』というのが行政のスタンス。法律の後ろ盾がないからねぇ。ローカルルールに従えってこと。(^^ゞ。いろいろ問題になるようならそれこそ本当に法的に『犬禁止』になるやもしれぬ。

+++

犬を禁止にしたいのは誰であろうか。なぜ、犬禁止と言われるようになったのであろうか。
地域住民であろうか?
いや、放し飼いの犬には困るであろうが、住民の携わるであろう観光産業にとっては犬連れもお金を落としてくれる大事なのはずである。

で、消去法で考えると、犬嫌いの観光客?公園管理者?ボランティア?自然保護団体のあたり?
犬嫌いの観光客となると仕方ないが、どんなことがきっかけで犬禁止を叫ぶようになるのであろうか。

観光客同士のトラブル?
犬嫌い、犬恐いの人が公園管理者に訴える。危ないじゃないの。咬まれたらどうするの?
公園管理者、ボランティアは犬禁止にしたくなるわな。
犬嫌い、犬恐いの方は本当に犬が恐ろしかったりするから気を使ってあげねばならない。ベルなんざ真っ黒くて大きいもんだから見ただけで恐怖に捕らわれるかもしれない。観光地に行くといつも気を使いながら歩いている。犬禁止になったら困るのは我々犬飼いだからね。

あるいは自然保護団体
生態系がくずれる!人間もあかんのに、犬なんてとんでもない!自然を保護する気があるんか?
そんな風に言われたら、公園管理者、犬禁止にしたいわなー。
生態系といわれるとよくわからんが、人間は生態系くずさんのかなー?
野生動物は敏感なんでしょうな。人間が気付くより先に人間に気付いていることの方が多いんやろなー。たまに人間の方が先に気付いてこっそり観察していると、観察されているのに気付いて逃げていくってこともあるかもしれない。あ、発見された!逃げろ!って。
で、犬を連れて歩かれると、人間より先に犬が野生動物に気付いて、吠えたり、吠えなくてもその気配で動物が逃げていく。結果、動物観察ができなくなる。もー、犬は連れてこないでよってなるかもしれない。だが、この場合、生態系うんぬんとは違う。

万が一、犬が逃げて野生化したら貴重な動植物が駆逐される。そうだ、それは大変だ。
散策路に犬のが落ちたり、においが残ったりマーキングされたら動物が近づかない。おお、そうかもしれない。
犬の被毛に植物の種がついていて、あるいは脚についた土に他所からのバクテリアが進入すると生態系に少なからず影響する。そんなこともあるかもしれない。
散策路を外れて植物を踏み散らし、枯らしてしまうかも。それは致命的だ。

考えると犬の話に限らなかったり、飼い主がしっかり管理していればよさそうな話だと思うのであるが、それが非常に難しかったりする。
そう犬飼いの側に問題があることもあるのだ。
犬が恐い人もいるのに放し飼いにしたり、動植物を踏み散らしたり。あたりかまわずマーキングを許してしまったり、あろうことか糞を放置したり。犬にしてみれば「やったぜ!」なんだろうけど狩りに成功してしまったり。
これでは犬禁止になってあたりまえである。(>_<)。おー?犬禁止にしているのは犬飼いかい?

もうちょっと犬飼いはしっかりせなあきまへんな。
え、ちゃんとできてる?そう、そう言える人は大丈夫なんでしょうけど。そんな人に飼われている犬ならそうそう問題になるようなことはないと思うんやけど。

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犬飼いと環境ボランティアとのトラブルってのもある。これはあるでー。体験者やから。(^^ゞ。サロベツ原野でのことやけど。
なんかごっつい、高飛車なんですわ。威圧的やし。
そりゃ、常識知らずやったんやら悪かったけど、そないなきっつい口調でいわんでもええやろ?

「ボランティア」とここでは書いているけどあれが当時の国立公園管理官ではないという前提である。なぜ国立公園管理官ではないという前提かというと、管理官ならば国家公務員ということになり、公務員であるならば国立公園において犬を拒否する法律がないことは知っているはずだからである。ということは旅行者風ではないこと、レンジャー風の格好であったことから、彼は「ボランティア」だったという推察ができる。
仮に国立公園管理官ならば国民に対する口のききかたというものがあるであろう。警察官の方がもっとずっと丁寧に話すわい。人間としておかしいぞ?と思うくらいに横柄だったのだ。あのときよく自分を制した。@nori、偉かったぞ、と自分を誉めてやりたいわい。

ホームページでは当時、明確にはしなかったけど「大型犬が居るけど散歩させていいか」ってそこのビジターセンターで尋ねてOKって言ってもらってたのだ。あのおっさんにも言わなかったのはほんなら「犬は禁止」じゃってことになったらたまらんかったからじゃ。もう時効で、今、言うたからって今更「犬禁止」にはならんじゃろ。もう5年も前のことじゃけんのう。へへん。

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どうかのー、ここはひとつ我々犬飼いは犬をきっちりしつけて管理もするから、何とか国立公園に犬つれてくるなーなんていわんといてくれー。
たとえばジャパンケネルクラブが主催する家庭犬訓練試験CD1クラスをもっていたら『特別保護地区は入ってOK』とか。あ、ベルはもってないからいけないや。(^^ゞ。
でも普通地区は禁止にしないでくれー、ローカルルールさん。

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あのー、上高地に行ってみたいなーと思ってるんです。

本当に上高地らしくてすばらしいのは明神池とかもっとの方だと聞いていますが、そこまで贅沢はいいません。大正池から河童橋ビジターセンターのあたりまで。梓川をゆるゆるとベルと歩きたいんです。観光客でごったがえしているし、あのあたりならベルが歩いたくらいでは生態系や自然環境破壊にはならないと思うんです。
でも上高地側はペットには病原菌がいるから連れてくるなとのこと。ホームページには「ご遠慮いただくようお願いしている」と書いてある。法律では禁止されていないのでそんなふうに書かざるをえないんでしょうね。ペットに元々病原菌がいるなんてことは知らなくて勉強不足だったなー。パルボやら混合ワクチンやら狂犬病の予防接種は受けているんだけど。上高地はそれほど繊細な生き物が生息しているということなんでしょう。こんな病原菌情報なんてのは意外と公より民間の方が敏感だったりするのかもしれない。ホントは介助犬盲導犬も断りたいのであろうがこれらは法律で受け入れざるを得ないからねぇ。保護と利用、むつかしいものです。

やがていつかは人間も入山規制されるんでしょうね。

うだうだ、書いてしまいましたなー。(^^ゞ




(2年も前に書いたものが見つかりました。今更ですがご覧ください。
法律やリンクなどは記事作成当時のものですのでご了承ください。2010年12月4日注記)



Last updated: 2008/11/05
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