ボクがもらわれてきた話
−とってもかわいかったボク−


関係ないけど、外国の田舎の風景

もしかしたら、ボクは売れ残りになりそうなWANだったのかもしれない。

1998年の7月。夏休み前のとっても暑い夏の日のこと。ボクが売られていたお店の中はクーラーがきいていてとっても快適だった。そこへ、おとうさんとおかあさんがやってきたんだ。

おとうさんとおかあさんは、おかあさんの運転免許証の更新で近くの試験場に来ていて、お昼ご飯にお店の隣にあるマクドナルドへ行こうとしてたんだ。ボクのお店に来たのは偶然で、かつクンにクワガタムシを買ってあげようと思って、のぞきに来たんだ。

そしたらWANやNyanが売られていたんで、動物好きのおとうさんが見物に来たんだ。おかあさんも見に来て、かわいいなぁっていってた。

ボクはおかあさんが見に来てくれたんで、一所懸命しっぽを振って歓迎したんだ。おかあさんもボクのことジーッと見つめてたんで、お店のおねぇさんがボクをケージから出して、おかあさんに抱っこさせてくれたんだ。

ボクはそのとき2ヶ月半で体重も5キログラム近くあって、小型犬の成犬ぐらいの体格だったんだけど、おかあさんに抱っこされて、お顔をペロペロなめたんだ。とってもおなかがすいていて、何か出してくれるかなぁって思ったんだ。

とっても元気良くなめたのがよかったらしく、おかあさんはボクをいたく気に入ってくれて、この子が欲しいっておとうさんにいってくれたんだ。

おとうさんはびっくり!おかあさんの気が変になってしまったのではないかと疑って、犬を飼うことの大変さを切々と説いたんだ。でも、おかあさんはもうボクを飼うことに心は定まっていて、おとうさんの話も耳に入らない。「なんでもできる!覚悟の上!」と、聞いてるボクまで(ほんまかいな・・・)と思うほど。挙げ句の果てには、かつクンまで引き入れて、「二人で世話できる!」と言い切った。なんと無謀な!
よし、そこまで言うなら、飼うことにしましょうと、大型犬が昔から飼ってみたかったおとうさんは決断したのです。

でも、ボクをもらうために再びお店へ行ったら、かつクンがボクじゃなくてお隣のケージのゴールデン・レトリバーに目を奪われて、「こっちがいい」って言い出して、それをなだめるのに一苦労。おとうさんも、「(家も狭いし)現実的に考えて我が家ではミニチュアダックスフントのほうが飼いやすいのでは」などと言い出す始末。ボクはどうなるのかとハラハラ。どうでもいいけど、誰か、ご飯食べさせてぇ!

結局、ボクのペロペロがきいて、おかあさんの意見が通ったのです。それで、ボクには新しいおとうさんとおかあさんと弟?ができたんだ。よろしく!



犬を飼う。これは思ったより大変なことです。

飼ってみて、こんなはずじゃなかったと思うこと、きっとあると思います。
子犬は何でも咬むし、最初は言うことを聞かないし、夜中に鳴いたりするし。

でも、それは人間の側に「犬は従順なもの」という
思いこみがあるのかもしれませんね。
一回言えば、それで次からきちんとできる!
そんなわけないですよね。人間の赤ちゃんといっしょです。
何回も何回も、繰り返し繰り返し、教える必要があります。
(1回で覚えることもありますけど、
それは、恐いことであったり、食べることに関連したりしています)

飼ってみてしんどいこともあるけれど、
うれしいこと、楽しいことがそれを忘れさせてくれます。
きちんとしつけて、犬にとっても楽しい日々をおくらせてやりたい。そう思います。

1999/7/17


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